ARTWORK

Have a good dream

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シーチング、綿、針金、色鉛筆

カテゴリー: 工芸
タグ: [第16回みんなの美術展応募作品, 生活の営み, 自然との共生, 身体と労働, 時間, 夢と記憶, 手仕事, 牧歌性, 関係性, 生活の詩, パッチワーク]
 山奥の集落で暮らした経験をもとに制作した作品である。都市のような利便性はなかったが、生活に必要な多くを自らの手で賄う環境のなかで、不思議と不自由さは感じなかった。特定の役割に縛られる「仕事」とは異なり、暮らしの営みは多様であり、身体を通して世界と関わる時間そのものに豊かさがあった。
 本作では、そうした日々の感覚を、やわらかな素材と軽やかなタッチによって可視化する。「明日は何をしよう」と期待を抱いて眠り、色彩に満ちた夢を見る感覚は、人と自然が支え合う関係性の象徴でもある。その夢をパッチワークによる布団の形として表現した。手縫いによる素朴で前近代的な造形は、どこか牧歌的な風景を想起させる。
 本作は、「働くこと」と「生きること」が分断されがちな現代において、その在り方を静かに問い直す試みである。

1997年 中国・安徽省生まれ
2018年 中国中央美術学院 アニメーション専攻 卒業
2021年 京都精華大学大学院デザイン研究科ビジュアルデザイン領域 修了
2022年 「越後妻有 大地の芸術祭2022・枯木又プロジェクト」出品
他、個展・グループ展多数

 子どもの頃の純粋な創作衝動を出発点に、日常の中でふと立ち上がる感情の揺らぎや、他者との関係の中で生まれる微細な心の動きを主題として制作している。
 私が関心を寄せているのは、「何を描くか」よりも、「どのような視点で世界を見ているか」という態度そのものである。強い物語や明快なメッセージを提示するのではなく、見落とされがちな感情の断片や記憶の層を丁寧にすくい上げることを大切にしている。
 クレパスによるスクラッチやドローイングでは、塗り重ねと削りの行為を繰り返しながら、内面に潜む感情の層を可視化する。削ることで現れる色彩は、記憶の奥から立ち上がる光のようでもあり、時間の痕跡でもある。
 他者を見つめることは、同時に自己を見つめ返す行為でもある。作品はその往還の中で揺れ動く心の状態を留める装置であり、静かで持続的なまなざしの記録である。

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