ARTWORK

one scene

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スチレンボード・アクリル板・イベントカラー
134×164×45 cm


カテゴリー: 彫刻
タグ: [第17回みんなの美術展応募作品]
端役をテーマにできた作品です。私が考えた端役は日常で見落とされがちな手すりや柱などいわゆる建築の一部であり、それを建築という主体から切り取って、本来と違った置き方にすることにより、その存在を顕在化してみました。建造物を擬人化し、建築が主役で例えば、見落とされがちな複数の柱や窓は脇役ですらない端役だと考えます。
この作品は地面から仰ぎ見たとある建築の窓を切り取って、逆さに置くというイメージからできています。人が仰視の時でしか見られない窓の変わった角度を残して、頭の中で知る本来の窓の形と実際目にした形を分離させて、目にしたもののみ再現してみました。
切り取られた端役を常識どおりに形にするだけではなく、端役を見る特定された「瞬間」も制作に入れて、このような形になりました。いつか見た端役ではなくて、1つのシーンで見た端役という意味から、タイトルを「One scene」にしました。
この作品における「瞬間」の意味について、人が環境や時代に影響されて生まれた偏見、誤解、噂や軽率な判断など真実から目を背けるものを表しています。さらに語ると、この作品は本物の建造物の再現というより、記憶した端役像を形にしたものです。そして特定された場所や情景で現実には存在しない端役の形を実際に作りました。
特定された場所と情景は人の立場や経歴に例え、目にした真実と異なった端役は人の偏見や個人の解釈を表し、己の思いや考えを形になり、客観的に見える途端、それは歪んであって面白さがあって不思議そうで普通であるなど、様々な感想に繋がることができたらと考えます。
裏面の壁は全くの想像です。特定された情景では裏が見えないからです。これは本当の端役(建造物)ではなく、端役像(人のイメージ)であることを促し、真実なのか否かと迷わせる表と違って、人が物事に対する勝手な印象を赤裸々に暴露し、表と裏の関係性を強調しました。

1999年にマレーシア生まれです。2021年に日本工学院専門学校演劇スタッフ科を卒業し、その後和光大学表現学部芸術学科に編入学しました。現在は床や建具などの補修仕事をしております。
私は建築×端役をテーマに複数の立体作品を制作してきました。背景として存在し、主役ではない端役には、極端な二面性を持っていると考えます。関係の有無、意味の有無、瞬時と永遠、リズムとランダム、単純と複雑など曖昧で不安定で誰の記憶にも正しい「自分」は存在しないから(人の記憶に曖昧な印象しか残らなく、誰の記憶にも正しい「自分」は存在しないから)、側面的な見方ができることは、端役のもっとも魅力的なところだと考えます。
建築の一部を切り取り、現実とは異なった置き方にすることによって端役の独自性と人それぞれの心に思い浮かべる端役像の多様性を表現しています。

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