ARTWORK

石と時間

いいね 0    シェアする:
紙に描かれた素描

カテゴリー: 工芸
タグ: [第15回みんなの美術展応募作品]
この作品は、静謐な風景の中に配置された二つの石を通して、「時間」の概念を可視化しようとした試みである。
モノクロの世界に広がる地形と空は、まるで記憶の断片のように静かに沈殿し、物質と非物質、現実と幻影の間を揺れ動く。
本作は、李禹煥の「余白」と「関係性」の思想に影響を受け、要素同士の間に漂う緊張感と、空間に刻まれる沈黙を意識して構成された。
石は時間の化石であり、そこに立つ影は見えない過去との対話である。
本作は、風景を描くことを通して、永遠と一瞬が交差する「場所」を提示している。

私はロンドン大学ゴールドスミス校にてファインアート修士課程を修了し、現在は日本を拠点に制作と発表活動を行っています。制作の中心は、文字の解体と再構築を通じた構造や秩序への探究です。

李禹煥やもの派の思考から影響を受け、静けさや永遠性、哲学的な深みを追求しています。また、電子雲の共振や神経感覚などの科学的概念を取り入れ、国際的な絵画潮流と接続しながら複数のシリーズを展開しています。

私の作品は視覚的な実験であると同時に、存在・感覚・イメージの力をめぐる思索でもあります。秩序と空白のあいだに、観者が考える余地を残すことを大切にしています。

MY WORKS