ARTWORK

鯉球儀(りきゅうぎ)

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作品寸法範囲:約30cm×40cm メイン素材:卓球ボール マグネット マグネットボード レジンなど 手法:樹脂加工

カテゴリー: 彫刻
タグ: [第12回みんなの美術展応募作品]
 ”閃めいて、嬉々としてカタチにする”ことに意義を見いだせなくなって久しい。常に「3Dプリンタで出力すればよくね?」「グラフィックで表現できるよね」という思いがつきまとうのである(私は疎い)。これまで創作には相応の情熱が必要であった。時間・資金・作業場所・技術等々の確保(取得)は容易ではない。それが今では平面から始まって、立体までもが容易に作成できるようになった。発表の場・販売法に困ることもない。アイディア・技法はネットに溢れているし、要のはずの”ヒラメキ”すらAIがやってくれる。つまり”片手間”にプロなみ、あるいはそれ以上のクオリティでモノを出力することが可能な状況下で”創作活動をする意義”というのを考えさせられるのである。
 意義があるとすればそれは”創作過程”なのではと思う。非効率なこと、面倒くさいこと、注目されないこと。長い人類史、広い世界からいって”自分以外はやってない”事など無いに等しいが、少なくとも”自分は見たことがない”ことを愚直にやり続けるしかあるまい。
 というわけで今作は卓球ボールと格闘したものである。”このようなカタチ”を具現化するだけであれば、より美しく仕上がる手段は別にあろう。しかし主眼は完成度を高めることではなく、”卓球ボール(プラスチック)に命を宿らせることは出来ないか”である。その試行錯誤の過程を感じ取って貰えたら、と願う。

1967生まれ 武蔵野美術大学卒
2016 新潟オフィスアートストリート 最優秀賞
2016 コクヨ デザインアワード ファイナリスト
2016 クラレ マジックテープアイディアコンテスト 入賞
2018 池袋アートギャザリング 入選
2019 ピンズデザインコンテスト 審査員特別賞
2020 明石文化国際創生財団
   4×6 Compact Art Competition コンセプチュアル賞
2024 鬼の造形大賞 鬼北町長賞

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