ARTWORK

コロコロセプ

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370mm×490mm
ワトソン紙、画用紙、水彩絵の具、(粘土)

全盲で絵を描いています。
段々と視力を失っていく難病で今は光すらほぼ認識できません。

私は、目が見えないため下描きを描くことが出来ません。
そこで頭の中にある物をまずは粘土で造形することを思いつきました。

その粘土に沿って画用紙を型紙として切り、
そこに貼り絵をして絵を描いています。

手法としては「貼り絵」ですが、
私にとってはこれが「絵を描く」という行為です。


カテゴリー: 日本画
タグ: [オリジナル, 第12回みんなの美術展応募作品]
目が見ない私にとって人生の喜びはそんなに多くありませんが、
音を聞くことがその一つです。

鳥の鳴き声や子供の笑い声
そして虫の鳴き声を聞くことに喜びを感じます。

その昔アイヌの人々は、
このリリリリと鳴くカンタンという虫に
「コロコロセプ」という名前を付けていたそうです。

昔も今も買わなぬ鳴き声なのでしょうか。
そんなことを思いながら今日も私は絵を描いています。

◆(恐らく)日本唯一の全盲の貼り絵作家◆

16歳で、網膜色素変性症という難病が発病。
徐々に視力を失い、現在は両目とも失明。光も認識出来ない。

幼い頃から創作が好きで、20歳から児童文学を書き始める。
『ゾウの鼻ブラシ』で日本童話会新人賞受賞。

絵の創作を始めたのは全盲になってから。
凸凹の触感を活用した貼り絵など全盲ならではの
表現技法を編み出しながら、今では450作品ほどを製作。

2020年からインスタグラムも開始。
作品の写真撮影を一緒に住んでいる家族が行い、
SNS掲載等は東京で働いている息子が担当。

身近なものを触ったり、昔の記憶から作品作りを行うことが多い。
好きなものは、春の匂いや鳥の声。山菜と海産物も大好き。

夢は絵本と詩画集を出版すること。

MY WORKS