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入澤日彩子

ID: HisakoIrisawa

第6回みんなの美術展応募作品から

第6回みんなの美術展応募作品から注目した作品、気に入った作品を選びました。

麗しきアルビノのひと

MIRI

透明感のある世界観とそこに惹かれるストーリーが感じらます。
一見水中に見えるが、柔らかで清々しい風が感じられ、肌や髪などの色もそこがどこであるかをも分ける言語は不要で、ただひたすらにその惹かれるものを追い続けてしまう心理が現れているようです。

甘い夢

カツレイイ

夢の中の時間軸は歪みがちだし、睡眠時間中のいつ見たものかもわからない。
この絵は、まだ現実と夢の境を行ったり来たりしているような、ふあふわとした浮遊感を感じさせる。
柔らかさや生暖かいさ、そして少し甘い香りまで、さまざまな質感が感じられる作品で、心惹かれた作品の1つです。

蠏古蟲

中島泰士

カラフルでありながら、金属的な硬質を感じ、まるで近未来の乗り物のようです。
細やかに描き分けられた古代虫の各部分が、バラバラにならずにまとまった物体に構成できる塗り分け方が惹かれます。

ロストランド~奇跡神殿への地図~『新たな扉を開きなさい』

悠アンヌ

細かにオリジナルコラージュされた画面を細かく見入ってしまううち、今自分がどこにいるのか、方角も定かでなくなっていく感覚に陥る。
時にそれは現実に心の中で起こり私たちは迷い悩む生物である。そんな時に一筋の光や向こうに輝く出口が見えた時、神のような存在を感じることもある。
その曖昧で不確かな体験の感覚がこの絵で表現されていて、印象深い作品です。

今夜の月が

シュチエン

青く幻想的な風景が時間を止め、建物や月、星などが放つ光が絵の中で揺らいでいるようで、観ていて癒されるものがある。
心の中にスーッと入ってくる青色がずっと記憶の中に留まっていく作品で、いつかこの街に行ける日がくるのだろうかと、平穏な日々を望んでいる自分に気づく印象深い作品です。