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選考にあたり

回を重ねるごとに応募作品のレベルが上がっており、特に今回は自由にのびのびと作家の表現したいことを作品化している魅力的なものが多く、選考は大変楽しい反面、選ぶことの苦しさを感じました。

今回私が選んだ作品は、鑑賞者の記憶と結びつき、感情を思い出させ増幅させ混乱させるものとになりました。
ちょっとした日常の記憶は、時間の経過とともに濃厚な感情を作り出すことがあります。
作品を鑑賞していると、自分の記憶の中の体験で認識されていなかった感情は、あらたに重ねた経験とともに創出されていきます。
じっくりと、記憶の糸を手繰り寄せながら時間をかけて観たいし、また時間をおいて時々見返したくなる、そんな作品を選びました。